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調査・研究

学習レコメンドのバリエーションを増やしてレコメンド利用者が57%増加

2016. 10. 7

学習レコメンドのバリエーションを増やしてレコメンド利用者が57%増加

【背景】

前回の記事で学習者1人ひとりに個別学習を提供できる学習パス図を開発したことをご報告いたしました。このパス図を基に「スタディサプリ小学講座・中学講座」を利用頂いている学校様のうち数十校に実証実験という形で生徒様に次に学習する授業のレコメンドを行っております。今回はこのパス図をもとにレコメンドのバリエーションを増やしてレコメンドの利用率が増加したことについてのご報告になります。

【詳細】

レコメンド提供当初は苦手を克服するレコメンドを提供しておりました。
図で簡略化して説明いたしますと、「小5分数」の理解度が低かったので、前提で必要となる「倍数と約数」、「小数と整数」、「小4分数」をレコメンドしておりました。苦手克服というのは学力の底上げという観点で至上命題でありますが、理解度というのは生徒様によって異なり、すでに理解している生徒様にはレコメンドが出ないという課題がありました。また苦手だけでなく、理解しているところをさらに次の学習へと繋げていくことで学習意欲の向上につながるのではないのかという仮説もありました。
そこで得意分野を伸ばすレコメンドの提供も始めました。図2で説明いたしますと、「倍数と約数」を理解できているので、「分数」、「比例」をレコメンドするというものです。
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この得意分野を伸ばすレコメンドを追加したところレコメンドの利用率が増加いたしました。具体的に言いますと、得意分野を伸ばすレコメンドが同じ時期に提供した苦手克服レコメンドの約1.9倍の利用率となりました。

※利用率の定義はレコメンドを提供した人数のうち実際にレコメンドした授業を1つでもやってくれた人数の割合になります。

また下のグラフはレコメンドした授業に取り組んでくれた人のレコメンド提供パターンの内訳になります。
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苦手レコメンドのみ取り組んでくれた人が46%、苦手と得意レコメンド両方取り組んでくれた人が17%、得意レコメンドのみ取り組んでくれた人が36%になっています。
言い換えると得意レコメンドを提供したことで、レコメンド利用者が57%増加したことになります。

【今後の展望】

苦手レコメンドだけでなく、得意レコメンドを追加することでレコメンド利用者を57%増やすことができました。理解度の閾値をどこに設定するかで苦手、得意でレコメンドされるものが異なり、この閾値設定を調整することで、更なるレコメンドの利用率の増加も考えられますので、今後検証していきたいと思います。

著者:中西 慶彰
株式会社リクルートマーケティングパートナーズ
まなび事業本部 オンラインラーニング事業推進室
2008年筑波大学大学院修了。同年SIerに入社し、BIのシステム提案、構築とさまざまなクライアントのWebサイト分析に従事。2015年6月株式会社リクルートマーケティングパートナーズに入社し、スタディサプリ小学講座・中学講座(旧勉強サプリ)の分析を担当。子供の学び方をデータ分析によって解明中。